先祖の霊

特に先祖にお参りして本番に臨んだわけでもないのに、たった一校しか受けてない大学受験の本番中、何十回も、脳裏にというか眼底にというか、父方の祖父母の家の仏壇が映った。

十代の頃は全く霊感がなかったのに、あの試験中のイメージはしつこいくらい強烈だった。

あれは多分、子どもの頃、毎月、お坊さんが仏壇にお経をあげにきてくれるのに参加していたからだと思っている。たぶん、先祖からの恩返しだろう。

祖父が亡くなって、月参りもなくなって、何年も経つのにちゃんと見ててくれたんだろうな。

たぶん応援のつもりだったんじゃないかと思っている。

じゃあなんで仲の悪い親戚関係、子どもに暴力をふるう父親が生まれてるのか、というのも思う。

先祖の行いが悪いんだろう。

その時はまだ幽霊を見たこともなく、全く霊感もなかったが、この体験で、先祖っていうのは、わりといつも見てるんやろうなあ、って思った。

 

その仏壇がある、父方の祖父母の家は実家のすぐ近所で、歩いて10分もかからない。

父親の実家である。

たぶん、山科に何百年も住んでいる一族で、農家兼、祖父の代からは保育園をやっている。

保育園をやっていて、本人は高校の教員なのに子どもを殴るのがうちの父親だが。

 

祖父が生きていたときは、毎月、「月参り」といって、その家に近所の寺のお坊さんがやってきて、仏壇にお経をあげてくれるのを聞きに行っていた。

父親はその場に仕事でいないことも多く、祖父、母親、自分、弟、妹でお経を聞いて、お坊さんと祖父がほんのちょっとだけ世間話をして、解散。

それを、祖父が元気なときはやっていた。

また、盆には親戚中が集まってもっと盛大にやる。

 

その他、京都の南区の祖母の実家にも盆には車で墓参りに行っていた。大人は「とのもり」と呼んでいたが、多分塔ノ森のことだと思われる。今では交流がないし、お墓の場所も私は分からないので、謎につつまれたままだ。

 

父方の親戚は、知ってるだけでも、二人、自殺している。

一人は血はつながってないが。

一人は父方の祖父の