公文の算数で間違うと、全て消して一からやり直したかった

幼稚園の年長からずっと公文式に通っていて、算数と国語をやっていた。

私はどちらかというと文系で、算数は、もとからできるというわけではない。

ものすごい努力で、その、素質のなさをカバーしていた。

だから、算数と国語を同時に始めても、国語は先に進んでいくのに、算数は進み具合が遅かった。

公文の算数は、とにかく計算をたくさんやらせる、という方式で、新しい単元に入っても、何の説明もなく、いきなり新しいことをやらされる。この、何の説明もないことに、いつも、内心、腹が立っていた。

ただでさえ苦手なのを頑張って気持ちを引き立ててやっているのに何の説明もなく唐突にわけわからんことを持ち出してきやがって…というのが本音。

公文は、間違えても、どこを間違えたとか全然教えてくれなくて、ただ採点者がマルバツをつけて突っ返してくる。だから、理解できないところは、何回やっても、バツがついて返ってくる。たぶん、公文が続かない人は、皆、ここで心折れて辞めるんだと思う。自分も、よく、泣きながら、何時間もかかって算数をやり直していた。まだ年齢一ケタだったのに…。それでも頑張って根性でやっていた。

算数の問題を解くのに、途中で計算を間違えると、あと全部が間違う。

こういう時、私は、全部消しゴムで消して、一から問題を解きなおしたくなる。

実際は式を検分して、間違えたところを見つけて、それ以降からやり直すのが「効率的」なのだろうけど、私は、それが、感覚的に、気持ち悪くて、すべてまっさらにして一からやり直したい。

途中まで合ってたとしても、結局正しくないものを作ってしまったのだから、一からやり直したい、ダメなものは、この世から今すぐに消してしまいたいと思ってしまうのだ。

10歳を過ぎたくらいから、間違えたところ以降からやり直すのが、本心では不服でも、後の労力を考えれば、そっちの方が良い、と理屈では納得した。