25歳ごろから代謝が落ちてきて、完全に成長が止まり、老化がはじまって、体が変わってきた

25歳の夏、「あれ、自分の体、しぼんできたかも」と思った。何となく全体的に筋肉が落ちてきた感じ。食生活も運動習慣も何も変えてないのに。

 

はじめは、体が薄くなりはじめてきたような気がしたのが前兆だった。骨格自体が大きく、子どものころからずっと大柄で、華奢とは程遠かったのでやっと若さがとれてきたのかと嬉しかった。

 

若いと、肌にハリがあるのは良いが、体全体もハリがあるので、全体的に膨らんでいる。だから、若いと、ほっそりした子でも貧相にならない。逆に、太っていると、太っているのが目立つ。

そういった、体の、細胞一個一個のボリュームというものが失われていくことで、体が薄くなったような感覚を受けた。

見た目にはわずかに細くなったので喜んだ。

その時直感的に思ったのは、もうこれからは今までほど食を楽しめないんだな、ということ。そう思うと、あまり食にこだわりのない自分でも少し残念な気持ちが生まれた。

 

それより残念だったのが、今まで絶対につかないと思ってた上半身と顔に脂肪がつきはじめたことだった。

体が薄くなってきたのに喜んだのもつかの間、筋肉が落ちたということは代謝も落ちたということで、今まで通り食べていたら脂肪になった。体がしぼんできたのに気づいた半年後、こんどは体全体に少しずつ肉がついてきたのに気づいた。

 

もともと、腹に少し、太ももはじめ脚全体には脂肪が多かった。

それに加えて少しずつ、尻や背中にも脂肪がつくようになってきた。

それまでずっと、脚が太いのに、尻には脂肪が少なく、おかしな体型だと、我ながら残念だった。上半身には全然肉がつかなくて、二の腕の肉もなく、肋骨も浮いていた。

それが悪い方向、つまり全身に脂肪がつく、という方向で、解消されたというか、別の悩みになってしまった。

もとから普通レベルの容姿だったが、それが劣化してきた。おなかもすいてないのに何か食べたら絶対にいけないし、毎日ストレッチや体操が欠かせない。これから先、歳をとればとるほど、見た目だけじゃなくて体調的にも留意すべきことがますます増えていくんだろうな、とこのとき、実感をもって思った。 

 

それから二年近くかかって、尻から背中をつたって、首の後ろ、二の腕から手首に至るまで、肉がついた。

子どもの頃から腕が細くて、手首、そもそも腕なんかに脂肪なんてつくのか?と信じられなかった。それまでは。しかしつくんだな。今思えば傲慢だった。自分自身の身に起こらなければ、分からないんだな。腕だけは、細かったのに。

若さを羨み嫉妬するオバサンの気持ちが分かった。

 

体に肉がつく順番は、腹、太もも、膝下、尻、背中、肋骨周り、肩甲骨周り、上腕、肘、首の後ろ、首の前、顔の下半分、腕先。

 

肩回りに肉がつくと、常に肉が肩全体を前に押し出しているので、肩先が前に出る。背中に肉がついているので肩甲骨を寄せることができない。結果、背中が広がり、肩が前に曲がる。だから、腕を動かす際の動きまで、痩せていた(というか普通だった)ころとは変わってしまう。

二の腕の付け根と背中の接点が球面になる。もともとはくびれている部分なのに。肩先を、元あったポジションに戻そうとしても、そこの肉が邪魔をして後ろに戻せない。腕の可動域が狭まり、首も動かない。太ってるときは首に肉がついているから、鎖骨の上あたりを直接見ることができない。腕を真っすぐ下に下すこともできない。

 

肋骨周りに肉がついてきて嬉しいたった一つのことは、胸が目立たなくなることだ。胸自体は肉だが、胸の周りにも肉がついているので、胸自体が脂肪に埋もれて、胸が小さく見えるのが嬉しい。胸があるのがイヤだから、それだけが嬉しい。

痩せてると、胸が余計に目立つ。肩甲骨を寄せると余計に目立つ。切り取りたい。

 

太ってる人は「ふわふわ」と表現されたりするけどそれは違う。贅肉ってデローンってしてる。

 

太り始めても、それまでどおり、平均して週2回1.5時間ほど水泳していた。少しは歯止めになってたかもしれない。しかし、食べる量を減らさないと、根本的には解決しない。

食べる量を減らすと、言葉で言うのは簡単だが、実際にやるのは難しい。今までの習慣、感覚を変えなければいけないわけだから。これからはいつも腹七分目で満足しないといけない。それまでは、ダイエットなどしたことがなかった。

 

26歳の夏、毎日甘いものを食べていたら、信じられないくらい太った。その時、生まれて初めて、本気でダイエットしようと思った。

このときは、 老化による脂肪の増え方だけではなく、肥満の脂肪の増え方だった。

太りはじめは、筋肉の上に脂肪がつくから、なんか筋肉が大きくなってきたと勘違いしてしまう。筋肉の上に脂肪がつくのは、筋肉がすぐに脂肪を使えるようにか?関節にまで脂肪がついてきたら、おしまいだと思う。でもそんなところまできてしまった。

 

中年以降は、萎んだオバサンになるか、太ったオバサンになるかのどちらかだ。少しでもたるみの堤防になるのは運動、筋トレなんだろうな。東京体育館のプールで泳いでたとき、プールでバリバリ泳いでる高齢者の団体、顔は老けてても体は若く、遠くからだと年齢を当てるのは難しいくらいだった。

 

体から突き出た脂肪を、全て、刃物で切り落としたい。

 

それから、蕁麻疹が治らないこともあり、ずっと、この5年以上、今もまだ色々食事や日々の運動など試行錯誤している。