十代の時間を無駄にした剣道

10歳の4月から地元の山科の春風館という剣道場に通い始めた。

 

弟の幼稚園の時の同級生の父親がそこで剣道をしているから、その友達に誘われて弟が始めることになり、丁度新しい事に挑戦したかった私もやってみたくて始めることにした。

 

私はその頃から自分が運動が苦手なのを自覚しはじめていて、何か新しいスポーツ系の習い事をしたら、伸びるんじゃないか、と考えて始めたのだった。

その道場は、今考えると、大人のサークル活動に子どもが混ぜて貰ってるみたいなところ。

 

小学生のころは分からなかったが、中学生になって、大会で他の道場の人々を見てはじめて分かった。本気で剣道が強くなりたい子は警察の道場に通う。

警察の道場は、規律が厳しい反面、教えるシステムが確立されてそうだった。

 

私の通ってるところは弱小団体。人数も少なく、京都市じゅうの道場の中でも実力は最低ランクの底辺道場。

 

普段道場では偉そうにしている大人も、大会で他の団体が集まっているところだと肩身狭そうにしてる。そりゃそうだよなあ。本職が警察官で、剣道をやってる人たちに、大人のサークル崩れが勝てるわけがない。

 

そんな中途半端なところに、計5年も通っていた。

週二回、水曜日と土曜日の夜7時から9時まで。昇段試験の前などは、試験の半年くらい前から30分から1時間くらい残って練習してた。

その、全部の時間がムダだった。

 

白のクラウンで来るHKIという口の臭いオッサンが、私が剣道に入ってきたときから私のことを気に入っていた。

 

NKGMというオッサンの妻、この道場でそのNKGMと出会って結婚したらしいが、その女が陰で、いや、聞こえてるからわざとか、わざと聞こえるように10歳かそこらの私の悪口をよく言っていた。何が気に入らんのか。その女はちょうど結婚したばかり、20代だろうか、若かった。小柄。今でも覚えてるのは、準備運動でストレッチしてる時に、道場の端の大人しか入れないスペースからストレッチしている人たちを見渡しながら「いちばん体伸びてないの〇〇(私の下の名前)ちゃう?」などと、他に誰もしゃべってない道場中に聞こえる声で言ってたことだ。

 

剣道をはじめるきっかけになった弟の友達の父親(YSZWという)は静観、という感じ。

 

基本的に、大人同士は、なんでもなれあいで、だらしない雰囲気の関係性で出来あがった環境だった。

 

剣道は、中学受験のために、小6に上がる前に一旦やめた。

その後、中学から再開しなければよかった。

 

思えば、中学受験で私立に行くような子がほとんどいないような民度の低い地域で、金持ちが行くような中学に通ってたのがうとましかったんだろうな、大人たちは。

 

中学に入ってから視力が落ちて来て防具の面(剣道する人たちが頭につけてるやつ。)をつけるとますます見えにくいので、剣道用のメガネ(そういうものがある)を作ろうと思って、それを相談しに行くと、「勉強のしすぎで目が悪くなったんか?」と言われた。

 

今、キーボードを打ちながら、キーボードを叩き壊したい。バカにしやがって。

私は親に言われて中学受験することになっただけなのに。

どんだけ精一杯必死に勉強してきたと思う?

バカには分からないか。知能も低い、視野も狭い、民度の低い地域の人々。

 

まともに取り合ってもらえない。そう言われて、子どもだから、どうしたらいいか分からない。恨みだけが残る。今でも恨んでいる。

私が私立中学行ったのが癪に障るのか?

こういうことを、相手が子どもだからといって、ナメてかかって、面と向かって言うのは、アホが上へ行こうとしている者を引きずり下ろすためのやっかみだろうな。

大の大人が、中学1年生の子どもに向かってそういうことを言って、留飲を下げようとしてる。

ゴミ溜めに集まったゴミの集団。結局メガネは作らなかった。

 

私も、周囲が頭のいい人ばっかりだったら、例えば親戚一同高学歴で、小学校から私立へ行き、「れっきとした」人しかいないお稽古事(選ばれた人しか通えないお稽古事、紹介でしか入れないところ)に通う、みたいな環境だったらそういったおかしな大人におかしな事を言われる事象には遭遇しなかったかもしれない。

民度の低い地域で育つとはこういうことの連続。

 

そういえば、URBという医者の子が兄と妹でこの道場に来ていた。私が剣道に来はじめた初期、約半年だけ通ってた時期がかぶってた。

そのきょうだいの妹の方は普通に剣道できたものの、兄は運動神経なさそうで苦労してそうで、剣道内心は嫌そうだった。バカが集まってる道場では珍しい人種だったな、このきょうだいは。

 

眼鏡作りたいと言った先の道場のオッサンも早く辞めてほしかったのかもな。

見込みもなさそうだし、といったところか。私も辞めたかったけど一度はじめたらやめるなと親にガミガミガミガミ言われてやめることができなかった。たまに、ほんとうに行くのがイヤで、道着袴のまま、道場にいかず講演やブックオフで時間つぶして帰ってくることもあった。

 

中学受験で小6の一年間は剣道を休み、中1になって再開する時に、小学校で6年間同じクラスで仲の良かったMKIという友人を誘った。MKIは地元の公立中学に行くので、離れ離れになるから、せめて一緒の習い事に行ってつながりを保ちたかった。

彼女は運動神経がよく、勉強面でも優等生といった感じの子。その子と、中1、中2の二年間いっしょに行っていた。

 

中学生になったし、段をとるかという話になり、我々は半年ほど準備して初段試験に臨んだ。MKIは一発で受かっていたが、私は筆記試験は受かったものの、実技がダメで、二回目でやっと通った。私が二回目の初段を受ける時、MKIは二段を受けていて、自分の方が二年も長く通っているのに、運動神経は努力してもどうにもならないんだな、とつくづく実感した。そんなMKIも中2の途中でやめてしまった。高校受験のために。確か、自分もそのタイミングで一緒にやめたのだと思う。やっとやめれたというのが本音。

 

MKIとは高校卒業後、一度会っただけでその後は連絡をとってない。

その一度会ったのは、大学生2年くらいのときで、京都の「はやしや」でお茶をした。

私が現役で大学に受かって、その次の年の年賀状は来なかった。

その次の年、KNK大学に進学したという年賀状が来た。

その後はたぶん向こうから年賀状が返ってこなくなって、連絡が途絶えた。

MKIは、中学に入ってからは中学の人間関係が楽しいようだった。美術部に入っていた。(マンガが好きな子だった)まあ、そんなものなのかもしれない。

 

 

そんな我々が中学生の頃、せっちゃんと呼ばれてる20歳くらいの女が剣道に来ていた。子どもの頃から通ってるらしく、一時やめてまた来れるときに通う、というような感じだったらしい。こいつも地元の奴。その女は兄が二人いて、きょうだい全員で子供のころから道場に通っていたらしい。そいつらの母親が地元の中学でボランティアをしていたらしく(地域住民が中学とか小学校のボランティアで何かを教えるという馬鹿らしいアレ)、私の友達のMKIがその地元の中学に通っているから学校でのことも知っていて、MKIは賢い、優等生だ、と道場に来たときにしきりに喧伝していた。それも一回ではない。何度も。すごい太ったババアだったが…。そういうことを、守秘義務あるかどうか知らんが、ペラペラと、何の関係もないコミュニティーの、第三者たちの前で、よく垂れ流せるよなあ。しかも本人のいる前で。ここらへんの感覚が、地元の人たちに(自分の親にも)共通するところだが、おかしい。リテラシーの低いバカが集まる地方の底辺地域という感じ。地方にバカが多いのは事実だと、剣道関係の思い出に関連づけるだけでも腐るほどエピソードが出てくる。

 

剣道は、運動ができないから、何か新しくスポーツ系の習い事をやってみたら向上するかもしれないと考えて行ったのだが、間違いだった。

時間のムダ、イヤな思いしただけだった。

剣道で発っされる奇声は、聴覚過敏の私にとっては発狂しそうなほどうるさかった。

 

無駄な時間は無駄でしかないということを、何百時間もかけて学んだだけだった。

この時間を、もっと自分にとって生産的なことに使えばよかった。

本読んだり、絵練習したり。親が一度はじめたことはやめるなやめるなとガミガミガミガミ言うせいで見込みもないのに人生の時間をムダにした。

中学受験でお休みしたあと、真面目心を出して、復帰しなければよかった。

一生、こういった環境には、行かない。やっぱ体育会系はバカ。バカが集まる環境には、一生、足を踏み入れたくない。